4. 徹底した感染症対策
腎不全の患者さんは、腎臓が悪くなることで体内の免疫力が低下します。そのため、数時間滞在する透析室の壁は抗ウィルス対策を施しております。また、個室を2室完備しており、万が一感染症(例えばインフルエンザなど)を発症された方がいらしても、本人や周囲の方にも安心した透析治療が行えるように準備しております。
Dialysis
腎臓は、背中側の腰の高さに左右1個ずつある臓器(こぶし大の大きさ)で、血液中の老廃物をろ過して尿をつくる、からだの「排水処理場」です。
さまざまな原因により腎臓の働きが不十分になる「腎不全」を患うと、血液のろ過が十分に行えず、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまいます。そして、一度失った肝機能の回復は非常に困難です。
その腎機能を補うために、人工的に血液の浄化を行うのが人工透析です。
人工透析は「血液透析」「腹膜透析」と2種類の方法がありますが、患者さんの腎臓の状態や生活習慣、治療の特徴を考慮して決めていきます。
専用の機器を通して体内から血液を取り出し、血液中の老廃物や余分な水分などを取り除き、浄化された血液を体内に戻す方法です。
血液を体外に取り出すために、腕の静脈と動脈をつなぎ合わせる手術が必要です。
患者さんご自身の腹膜(お腹の中の臓器を覆う薄い膜)に透析液を注入して血液中の老廃物や余分な水分などを取り除く方法です。
透析液を出し入れするために、お腹にカテーテルを埋め込む手術が必要です。
当院通院中の方のシャント狭窄に対しまして、日帰りでエコー下血管内拡張術を施行します(造影剤を使用しないためアレルギーの心配はいりません)。
日本透析医学会の「わが国の慢性透析療法の現況」によると、透析患者さんの命をおびやかす原因の第1位は「心不全」とされています。
当院では、循環器専門医および透析専門医による目線から、心臓の病気を持つ患者様の治療にあたります。また心不全に陥らないように目を配って治療をしております。
たかがエアコンの風で?と、思われるかもしれませんが、数時間同じベッドにいらっしゃる患者さんにとってはエアコンの風はストレスを感じる大きな要因です。そのため当院では、放射空調といって直接エアコンの風が患者さんにあたらず、乾燥してのどが渇かないように湿度調節も同時に行える身体に優しい空調設備を採用しております。
温度を持つ物体からは全て、その温度に応じた遠赤外線が出ています。「放射」とは、熱の移動方法の一種で、温度の高い方から低い方へ、熱が遠赤外線で移動する現象のことをいいます。
放射空調では、この放射の原理を利用して、人体(高温)から天井・壁・床(低温)へ熱が移動することにより温冷感を感じます。
たとえば、夏にトンネルに入ると身体がひんやりして涼しく感じられます。トンネル内と外の空気温度がほとんど変わらないにも関らず、このような温冷感を感じるのは、人体の熱が冷えたトンネル内の壁面に、「放射」によって移動しているためです。
空気を冷やしたり暖めたりして吹き出す従来空調に対し、放射空調では天井面や床面、壁面等の温度をコントロールすることで、居住者の身体が発する熱を吸収したり、熱放射を抑えたりして温冷感を感じます。
そのため、従来の空調に比べて気流感がなく、吹出し音も静かです。また、送風による冷温風の空気対流がないため、場所によっての寒すぎ、暑すぎのムラが起こりにくくなります。
この図は、従来空調と、放射空調の室内温度分布の断面図です。
従来空調は、空調の吹出口の真下の温度が低かったり高かったりする上、足元は冷暖房ともに低くなっています。
一方、放射空調では室内全体が温度ムラなく、冷えたり温まったりしていることが分かります。
(参考 三建設備 H.P.より引用
透析中に少しでも快適に時間を過ごせるようにFree Wifiの導入と全ベッドに無料のテレビを配置しております。
腎不全の患者さんは、腎臓が悪くなることで体内の免疫力が低下します。そのため、数時間滞在する透析室の壁は抗ウィルス対策を施しております。また、個室を2室完備しており、万が一感染症(例えばインフルエンザなど)を発症された方がいらしても、本人や周囲の方にも安心した透析治療が行えるように準備しております。
日本透析医学会の「わが国の慢性透析療法の現況」によると、新規透析導入患者の原疾患の第1位は「糖尿病性腎症」とされています。透析導入になっても糖尿病は血管の合併症を起こすため、引き続き管理していかねばなりません。そのため、当院では糖尿病専門医をはじめとした、管理栄養士、フットケアナース、などの糖尿病ケアチームで糖尿病を併存する透析患者さんの透析治療にあたっています。
慢性腎臓病療養指導看護師(DLN)、日本腹膜透析医学会認定看護師などの専門資格をもつ看護師が数名常駐しています。チームとして治療に携わっており、腎臓疾患に強いクリニックとなっております。
当院では、普通の透析(HD)の他に、オンラインHDFをすべてのベッドで行うことができます。オンラインHDFでは 24L~48L又はそれ以上の補充液を透析室内の機械室で無菌状態の超純粋の補充液を精製し、治療装置に直接接続し血液中に補充しています。そのため、きれいな透析液や補充液を精製することが絶対条件であり、厳しい水質管理を実施し毎月必ず細菌等が混入していないかの検査を行っています。
新たに追加された機能にI-HDFという透析方法が加わりました。
この透析方法は、透析膜を介して透析液側の水分を血液側に(逆濾過透析液を間歇的に補充する)一定に時間で自動的に補充する血液透析濾過(HDF)療法です。これは、水質管理がしっかりできているからこそできる透析方法です。 もちろん、逆濾過透析液を間歇的に補充する量や補充液を回収する量をステップおきにプログラムすることで患者様毎の症状に応じた適切なI-HDF治療を行います。期待できる効果としては、末梢循環の改善、プラズマ・リフィーリング(血管内に水分の移行)、透析膜の洗い流し作用による膜性能の維持、足攣りの軽減などがあると言われています。
透析治療は、失われた腎臓の代用をする治療法です。ただし、全ての機能を透析医療が補えるわけではありません。そのため当院では、透析治療になったとしてもできるだけ残っている(残腎機能)を大事にしてもらいたいと思っております。
また、透析時間(3~5時間)や条件(血流量、週2~3回)なども一様ではなくその方によって変えるべきと考えております。
残腎機能や患者さんのライフスタイルなどを考慮し、透析をやるために生きるのではなく、元気に生きるための治療の一環として透析治療をうけていただきたいとの思いで治療を行っております。何かお困りのことがあればいつでもご相談ください。当院では、腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)に力を注いてきた経験から最適な治療法も提示してまいりたいと考えております。遠慮なくご相談ください。